- 2023年2月4日
【創業支援】販売促進・人材確保①〜消費者と事業者の違い〜特定創業支援事業 創業スクール
こんにちは。中小企業診断士の村田久です。 先日、熊本市のXOSSPOINT.(クロスポイント)で特定創業支援事業……
こんにちは。中小企業診断士の村田久です。
3月22日に熊本市のスタートアップ支援施設XOSS POINT.で第6回創業支援セミナー「実例から学ぶ!創業におけるビジネスモデルの考え方」を開催させていただきました。
そのセミナーの内容を複数回に分けてお伝えする第二回目の記事です。
第一回目については、以下の記事をご確認ください。
第一回目では、「創業の実態とは」という内容で、以下のポイントについてお伝えしました。
○自分の思いを確固たるものにする
○ちゃんと準備すれば失敗確率を減らせる
○開業に有利な環境を利用する
○創業には「悩み」がつきもの!だから準備する
この記事は、以下のように創業前・創業について考え始めた人を対象にしています。
村田 久(中小企業診断士)
「村田久中小企業診断士事務所」の代表として、旅行会社に勤める傍ら、週の半分を中小企業診断士の活動に充て、新規事業支援、事業承継支援、補助金申請書作成支援などを行うとともに、中小機構の経営アドバイザーとしても活動中。
創業を考える前に、成功しない創業・起業の特徴をみてみましょう。
確かに成功しなさそうですね。。。
逆に考えると、ここにリストアップした「成功しない創業・起業の特徴」の反対の取り組みを行うことで、成功確率が上がるはずです。
成功しない創業の例を見たところで、そのようにならないためにも、第一回でもご説明した創業の設計図「スタートアッププラン」の作成準備を進めましょう。
以下のステップで作成の準備を進めます。
「思い」がなければ成功しません。
自分の思いを中心とした、創業の「中心軸」を持ちましょう。
どんなに「成功しそうな・儲かりそうな」事業であっても、自分がやりたいこと、思いがなければ長続きしません。
とはいえ、思いだけでは成功できません。
世の中から求められていなければ、単なる独りよがりの思い込みになってしまいます。
また、いくら思いがあっても、自分で実現できないこと、実現イメージが描けないことは、形にすることができません。
そうならないために、次の3点を踏まえて、それぞれが当てはまる事業を考えてみましょう。
例えば、中小企業診断士である私の場合、以下のようになります。
この中で「ニーズ」だけが自分のことではないので、この段階では想像するしかありません。
自分がお客様の立場になった時に、自分自身の創業のテーマが「欲しい!」と思えるものであるか、その観点で想像してみましょう。
中心軸が自分の納得できるものになったら、いよいよ具体的な創業に向けて、お客様にどのような商品・サービスを提供するかを考えます。
まず「誰に」→「何を」→「どうやって」の順番でビジネスを考えた上で、それぞれの項目の詳細を考えます。
その後、全体の一貫性・整合性が保たれているかを、行ったり来たりして考える、というステップで進めます。
ここで注意したいのは、「何を」を考える際に、単純な「商品・サービス名」だけにしない、ということです。
その理由は、単純な「商品・サービス名」にしてしまうと、ライバルとの差別化が難しくなり、競争に勝てなくなったり、価格競争に巻き込まれたりするリスクがあるからです。
例えば、カフェを創業しようと思っているケースを考えましょう。
提供する商品・サービスを「美味しいコーヒー」という商品にした場合、すでに「美味しいコーヒー」を提供しているカフェは他にもたくさんあるため、皆さんのカフェが選ばれる可能性は極端に低くなります。
お客様は「美味しいコーヒーを飲みたい」という単純なニーズを持っているだけではありません。
など、さまざまなニーズを持っており、そのことを口には出さないで、カフェへ来店されます。
したがって、「美味しいコーヒー」を提供することは、大前提として置いた上で、自分のカフェの特徴を明確化する必要があるのです。
とはいえ、すでに自分のビジネスが固まっている人はすぐに書けるかもしれませんが、まだ検討中の方は書くのに時間がかかるかもしれません。
そのような方のために、「誰に・何を・どうやって」を作るための考え方を次の項目でお教えします!
「お客様の悩みを解決する方程式」
この考え方が事業を始める際の基本的になります。
我々の商品・サービスを選んでいただくお客様は、一人一人意思があり、さまざまな悩みを抱えて生活しています。
その悩みや問題を解決して、より良い状態になってもらうこと、以下の図で言うと、「○○○」に当たる商品・サービスを提供することが方程式の答えであり、我々のビジネスになります。
家事に追われて悩んでいる女性が、スッキリした気分になる商品・サービスは一つではありません。
また、「どうやって」提供するかとの組み合わせも含めると、それこそ無数に商品・サービスが存在します。
その中から、自分の中心軸にマッチすることを選択し、創業していくことで、成功確率が高まります。
この考え方は、深堀すると記事が長くなってしまうので、別の記事として改めて事例を紹介しながらご説明します。
提供する商品・サービスについて、個人事業での取り組みを中心に代表的な例を類型化しました。
それぞれの詳細はビジネスモデルとして整理して、次回解説します。
このうち、「販売する・渡す」に関しては、商品の仕入れや店舗など、内容によって事前の資金が必要となるケースがあります。
それ以外の「代わりにやる・やってあげる」「教える・コーチングする」「場を提供する・マッチングする」については、やり方によっては最小限の資金でスタートすることが可能です。
「自分のやりたいこと」と、資金面も含めた「できること」、そして「求められていること」がマッチするものを考えましょう。
ここまで、思いを中心とした「創業の中心軸」、そしてお客様の悩みや問題を解決する「誰に・何を・どうやって」を考えてきました。
いよいよここからは、創業の設計図「スタートアッププラン」を作成します。
主要な要素はここまでで考えていますので、あともう少しです!
4つの要素を加えて整理すれば、スタートアッププランが完成します。
「誰に」「何を」「どうやって」のアイデアを考えた上で、5W2Hの考え方をベースに、さらに必要な4つの情報を加えて、スタートアッププランを作成します。
5W2Hというのは、情報整理のフレームワークのことです。
この考え方を使うと、網羅的に必要な情報を整理することができます。
5W2Hの要素は以下の通りです。
この5W2Hと、これまで考えてきた「創業の中心軸」、「誰に・何を・どうやって」を組み合わせると以下の通りになります。
このうち、②いつ、③どこで、⑥いくらで、⑦なぜ、が今回新たに出てきた項目です。
それ以外の項目はすでにここまでで考えてきましたね。
「②いつ」は、商品・サービスを提供するタイミングのことです。
単純に、毎日、毎週、毎月などの単位や、曜日、日付、時間など、さまざまなタイミングがあります。
もしくは、誕生日や結婚記念日などの記念日、「お腹が空いたとき」「疲れたとき」など、一人一人が異なるタイミングなども該当します。
「③どこで」は、商品やサービスを提供する場のことです。
「⑤どうやって」と重なる部分もあるのですが、こちらは具体的な場所のイメージです。
店舗であればその所在地、WEB上であれば具体的なECサイト・ブログなどを考えます。
「⑥いくらで」は、商品・サービスに設定する値段・価格のことです。
本来、商品・サービスの価格は、目標となる利益と必要となる売上原価・経費とのバランスで、最も効率的に売り上げが最大化する価格を設定します。
現段階では大体のイメージしかわかないと思いますので、自分だったらこれくらいの価格であれば購入する、というざっくりとした考え方で、とりあえず設定しましょう。
「⑦なぜ」は、お客様が商品・サービスを選ばれる理由のことです。
こちらは「お客様の悩みを解決する方程式」の項目である「⑧悩み・問題」「⑨悩みの解決」と連動します。
悩みを解決するためにこの商品を「選ぶ」のですが、その際には必ず他の商品・サービスと検討しているはずです。
なぜ、私たちの商品を選んでいただけるのか、他の商品・サービスと比較した場合の「違い」、言い換えると「強み」は何なのか、イメージしてみましょう。
今は「強み」が構築できていなくても、将来的に作っていくこともできます。
将来実現する前提で書いていただいてもかまいません。
以下に空欄のスタートアッププランをご用意しました。
ぜひ、自分で空欄を埋めて、スタートアッププランを作ってください。
自分で手を動かしてプランを作成することで、実現の可能性がグッと高まります。
こちらは、次回以降にご紹介する創業事例のスタートアッププランです(料金などは実際と異なります・イメージです)。
片付けのコーチングを、なかなか片付けの時間が取れない方にオンラインで提供し、片付けだけでなく、その人の人生も輝かせるという価値を提供している事例です。
ここまで、創業までに考えておくべきことについて見てきました。
今回の内容は以下の通りです。
第一回のまとめにも書きましたが、創業のポイントとして、
○自分の思いを確固たるものにする
○ちゃんと準備すれば失敗確率を減らせる
ということがデータから見えています。
第二回目では、このポイントを抑えるため、自分の思いを確固たるものにする「創業の中心軸」を考え、創業に向けた「スタートアッププラン」をまとめました。
このポイントをしっかり押さえて準備をすることが、成功する創業につながります。
ただ、今回作成したスタートアッププランはあくまで創業前に作成すべきもので、創業してからはビジネスモデルをしっかり構築して、継続できる事業に育て上げていく必要があります。
次回以降は、具体的なビジネスモデルについて紐解いていきます。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました!
中小企業診断士の村田久でした。
「村田久中小企業診断士事務所」の代表として、訪日インバウンド・観光事業・新規事業支援、事業承継支援、補助金申請書作成支援などを行うとともに、中小機構の経営アドバイザーとしても活動中。熊本市在住。 趣味はアウトドア。最近はテントサウナを県内各地で楽しんでいる。