【創業支援】販売促進・人材確保①〜消費者と事業者の違い〜特定創業支援事業 創業スクール

【創業支援】販売促進・人材確保①〜消費者と事業者の違い〜特定創業支援事業 創業スクール

こんにちは。中小企業診断士の村田久です。

先日、熊本市のXOSS POINT.(クロスポイント)で特定創業支援事業として、1月から実施されている創業スクールの講師として、販売促進・人材確保について説明させていただきました。

そのスクールでお話しさせていただいた内容を、複数回に分けてお伝えいたします。

創業を考えられている方は、ぜひ参考にされてください。

創業後1年以内の起業家は、「顧客・販路開拓」に課題を抱えている

日本政策金融公庫の調査によると、創業後1年以内の起業家に行ったアンケートでは、開業時に苦労したことのトップは「資金繰り・資金調達」ですが、開業後から約1年たった現在において苦労していることは、「顧客・販路の開拓」となっています。

【開業時に苦労したこと】

出典:日本政策投資銀行「2022年度新規開業実態調査」より作成

【現在(開業約1年後)苦労していること】

出典:日本政策投資銀行「2022年度新規開業実態調査」より作成

開業時は準備に関わる費用や仕入れ費用がかさむため、「資金繰り・資金確保」に苦労しますが、ある程度事業が安定的になった後は、売り上げを確保するための「顧客・販路の開拓」が問題になる、ということだと思います。

したがって、創業当初は公的機関や金融機関からの補助や融資を活用して、資金を確保することも必要ですが、その後必ずやってくる「いかに売り上げを拡大するか」について、前もって準備する必要があるということです。

では、売り上げを拡大するための販売促進をどのように考えればよいのでしょうか。

売上はどこからもたらされるのか

まずは、売上はどのように生み出されるかを考えてみましょう。

空欄には何が入るでしょうか。

①が2つに分かれているところがポイントですね。

正解はこちら。

売上高は①お客様数と②単価の掛け算で構成されています。

そして、①お客様は③新規のお客様と④繰り返しご利用いただくリピートのお客様に分解することができます。

ここで本来狙いたいのはリピートのお客様です。

なぜならば、一般的に「リピート(継続)のお客様」からの売上を獲得するためのコストを「1」とした場合、「新規のお客様」を獲得するには、広告費・販売促進費等が必要なため、「5」のコストが必要といわれています【1:5の法則】。

また、単価の向上も重要な取り組みですが、こちらも新規のお客様には難しく、リピート向けの施策をとることが多いです。

したがって、リピートのお客様を獲得したいのですが、創業時点にはリピートのお客様はゼロですね。

ということで、当然ですが、まずは新規のお客様に商品・サービスを購入いただく必要があります。

それでは、どうすればお客様に商品・サービスを購入いただけるかを考えていきましょう。

消費者と事業者の違いを考えてみる

「お客様」は言い換えれば、「消費者」ということになります。

「消費者」という目線で見れば、我々事業者も日々「消費者」としての行動をとっています。

自分自身の消費者としての行動を省みると、お客様の行動が見えてきます。

消費者としての行動〜最近購入した自分にとって「高価なもの」

まず、最近買った高価なものを思い出し、購入にあたってどのような行動を取ったか考えてみましょう。

記入例〜テントサウナ購入〜

私は最近テントサウナ(約14万円)を購入しました。

自分にとっては高価な買い物でしたので、かなり色々な情報を収集しました。

メーカーのホームページはもちろん、YouTubeの感想動画、他のテントサウナ情報まで調べた上で、購入を決定しました。

このように整理してみると、自分にとっての問題(ニーズ)が発生した後、色々と調べ、口コミや評価を確認し、その会社のホームページを確認するという流れが確認できます。

我々一般人が、いきなり14万円のものを「ポチッ」と購入しないですよね?(人によりますが・・・)

事業者になった途端に消費者目線が見えにくくなる

消費者の立場では、まず商品を認知して検討して購入するという流れがあります。

日用品などの最寄品を除き、何も知らない状態からいきなり購入にはならないと思います。

消費者と事業者は逆のステップを踏むことになるので、わかりづらくなる

一方で、事業者になると、我々はすでに商品・サービスを知っているところから始まります。

上の図で言うと、「認知・関心」「比較・検討」というステップを踏まないので、急に消費者の気持ちがわからなくなってしまうのです。

さっきまで消費者だったのに・・・不思議ですよね。

特に自分の商品・サービスに自信がある方ほど、「なぜこの商品が売れないのか!」「消費者はダメだ!」と言う思考に陥ることがあるんですよね。

これは中小企業・創業時だけでなく、大企業にもみられる現象だと思います。

次回は、この「わかりづらさ」を解消するために、消費者の購買行動に基づいた販売促進策を考えます。

第二回の記事はこちら

https://q-zconsul.com/2023/02/08/%e3%80%90%e5%89%b5%e6%a5%ad%e6%94%af%e6%8f%b4%e3%80%91%e8%b2%a9%e5%a3%b2%e4%bf%83%e9%80%b2%e3%83%bb%e4%ba%ba%e6%9d%90%e7%a2%ba%e4%bf%9d%e2%91%a1%e3%80%9c%e7%89%b9%e5%ae%9a%e5%89%b5%e6%a5%ad%e6%94%af/

今回、講師をさせていただいたのはこちらの創業スクールです。

夢に近づく5日間! 経験豊富な専門家が全力サポート!
※本スクールは熊本市の特定創業支援事業です。
※全5回の内4回(最終日は必須)以上参加された方に修了証書を発行します。

今期のスクールはすでに募集が終了し、講義が開始されているのですが、非常に好評ということで、23年度も継続的に実施することを検討されているそうです。

次回、募集があるようでしたら、このブログでもご紹介いたします。

中小企業診断士の村田久でした。

私がこの記事を書きました

村田久

「村田久中小企業診断士事務所」の代表として、訪日インバウンド・観光事業・新規事業支援、事業承継支援、補助金申請書作成支援などを行うとともに、中小機構の経営アドバイザーとしても活動中。熊本市在住。 趣味はアウトドア。最近はテントサウナを県内各地で楽しんでいる。

トップへ