【創業支援】販売促進・人材確保【4】創業時に有効な人材育成・確保
こんにちは。中小企業診断士の村田久です。
先日、熊本市のXOSS POINT.(クロスポイント)で特定創業支援事業として、1月から実施されていた創業スクールの講師として、販売促進・人材確保について説明させていただきました。
そのスクールでお話しさせていただいた内容を、複数回に分けてお伝えする第四回目です。
創業を考えられている方は、ぜひ参考にされてください。
前回までの振り返り
第一回:消費者と事業者の違いについて
我々が事業者として販売促進するために、必要な考え方の整理を行いました。
今まで「消費者」目線で購買していたものが、「事業者」目線での販売に変わることの違いを説明しています。
第二回:消費者の購買行動について
商品やサービスによる、消費者の購買行動の違いについて整理しています。
「購買行動モデル」と呼ばれるAIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス)など、複数のフレームワークを使ってご説明しています。
第三回:具体的な販売促進策とは
第二回でご説明した、「購買行動モデル」に基づいて、実例を交えて具体的な販売促進策について説明しています。
創業時に必要となる人材育成・採用について
創業直後の人材採用は、採用活動に費用と時間と手間が非常にかかります。
私たちの商品・サービスをお客様が認知されていない段階で、当然ながら「働く」ということについても、応募する側にはハードルが高いです。
さらに、人件費の負担が増えるということは、固定費の増加にもつながるため、採用の要否も含めて慎重に検討する必要があります。
販売促進と一緒ですね。
そもそも創業時は「創業者」という人的資源があるので、無理に採用活動をする必要もありません!
創業時の採用活動とは
ただ、どうしても人手がかかる事業を始めるため、採用することを決めた場合、簡単には採用活動は進みません。
日本政策金融公庫の調査によると、創業後1年以内の創業者が苦労していることの第3位が「従業員の確保」になっています。
しかも、最近の人手不足の影響もあり、課題としては拡大傾向になっています。
創業時点の我々にとっては、厳しい環境になりつつあります。
検討したうえで、人材採用が不可欠な場合は、早い段階から具体的な人材イメージを固め、採用計画を作りましょう。
まずは知人・友人から!
人材採用時の利用手段と採用結果
中小企業庁の委託により野村総合研究所が行った調査によると、中小企業・小規模企業の主な人材採用手段としては、「ハローワーク」、「知人・親戚の紹介」が多く、特に「知人・親戚の紹介」の採用実現率が高くなっています。
人材採用に関する利用手段
それではそれぞれの採用手段について見ていきましょう。
利用手段によって、コスト・採用率・人材の範囲が異なります。自社で採用活動を行う場合、比較的安価で採用できますが、人材の範囲は狭くなります。
人材の範囲とは、採用できる人材の年齢・スキルなどが限定的になるということです。
友人知人の紹介では、多様なスキルを持った方は採用が難しいですよね。
逆に広く募集する求人サイトでは、人材の範囲が広くなりますが、募集に伴うコストが必要となります。
それぞれの特徴を踏まえた上で、自分の事業規模に適した採用手段を検討しましょう。
人材育成の取り組み状況について
それでは、採用後の人材育成についても、簡単に確認しておきましょう。
商工中金の調査によると、中小企業における人材育成は、OJT(オンザジョブトレーニング)を軸として、他のプログラムと併用されるケースが多いようです。
また、中小企業の場合、経営者を含めて、人材に余裕があるわけではなく、教育と言ってもなかなか忙しくて難しいケースがほとんどだと思います。
加えて、アルバイトの方も貴重な戦力となるケースが多く、教育に時間を取られることは、経営者の時間がなくなるだけではなく、販売機会を逸する可能性も出てきます。
従って、人材育成を進めようと思っても「時間的余裕がない」ことが課題として挙げられています。
この辺りの対応としては、外部研修を活用するなど、新たな手法も検討することが必要と考えられます。
とはいえ、我々は創業段階であり、複数名の採用が発生することはないですが、将来的に事業が拡大した場合、必要となる基本的な知識をまとめます。
それぞれ、特徴があるのですが、時間が足りない創業時においては、OJTを中心として、即戦力への育成が必須になるかと思います。
その上で、対象者のレベルに応じた外部研修などを検討するといいでしょう。
人材採用・育成まとめ
商品・サービスの提供に雇用が必要となる場合を除いて、創業時、無理に社員やスタッフを雇用する必要はありません。
まずは、販売促進を進めることで、お客様からの認知度を高め、それによる商品・サービスの購入、問い合わせの増加が生じた時に、雇用の検討を進めましょう。
社員は、新たな売上を生み出す源泉になる反面、固定的なコストが生じる要因にもなります。
雇用を検討する際は、アウトソーシングの可能性も同時に考えてください。
アウトソーシング業者だけでなく、単発のクラウドソーシングサービスもあります。
とはいえ、雇用の拡大に向けて、数年後、事業が軌道に乗った段階で、ぜひ社員の雇用をお願いします!
以上、全4回にわたり、「販売促進・人材確保」について説明させていただきました。
次回以降は、2023年3月22日に実施した「創業支援セミナー 創業におけるビジネスモデルの考え方」について記載していきます。
コメントを頂けますと、資料のご提供も可能ですので、よろしくお願いいたします。