【中小企業・店舗向け】今からでも遅くない!訪日インバウンドの基礎と集客実践ガイド
「インバウンド対応は大手企業や観光地だけのもの」
「外国人のお客様なんて来ないから関係ない」
「英語ができないから無理」
そう思っていませんか?
実は今、日本全国の中小企業や地方の小さな店舗にも、インバウンド需要の波が押し寄せています。
2024年の訪日外国人数は過去最高の3,687万人を記録し、その消費額は8.1兆円に達しました。
これは半導体産業に匹敵する巨大市場です。
この大きなチャンスを逃す手はありません。
しかし、「何から始めればいいか分からない」という声も多く聞きます。
今回は、中小企業診断士として、インバウンド誘致や地域活性化に携わってきた経験をもとに、今からでも遅くない、インバウンド集客の基礎から実践までを徹底解説します。
訪日インバウンドの「今」を知る
過去最高を更新し続ける訪日外国人数
2024年の訪日外国人数は3,687万人で過去最高を記録しました。

コロナ前の2019年(3,188万人)を大きく上回り、インバウンド市場は完全に回復したどころか、さらに拡大しています。
訪日外国人数の推移:
- 2003年:521万人
- 2013年:1,036万人(初の1,000万人突破)
- 2019年:3,188万人(コロナ前のピーク)
- 2020〜2021年:コロナで激減
- 2023年:2,507万人(回復傾向)
- 2024年:3,687万人(過去最高)
この勢いは今後も続くと予測されています。
政府は2030年に訪日外国人6,000万人という目標を掲げており、インバウンド市場はさらに拡大する見込みです。
消費額8.1兆円の巨大市場
訪日外国人による消費額は、2024年に8.1兆円に達しました。

これは2019年(4.8兆円)の170%増という驚異的な伸びです。
産業別で見ると:
- 半導体・電子部品:約8兆円
- 自動車部品:約6兆円
- 訪日外国人消費:8.1兆円
つまり、インバウンド消費は日本の主要産業に匹敵する規模なのです。
どの国から来ているのか?
訪日外国人の出身国・地域を見ると、アジアが圧倒的に多いですが、欧米からの訪問も増加しています。

主な訪日外国人の出身国・地域(2024年):
- 韓国:約880万人
- 中国:約698万人(コロナ前の水準には戻っていない)
- 台湾:約600万人
- 香港:約260万人
- アメリカ:約272万人
- タイ:約114万人
近年の特徴として、欧米からの訪日客の増加が挙げられます。
アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダなどからの訪問が急増しており、彼らは滞在日数が長く、一人当たりの消費額も高い傾向があります。
一人当たり消費額の差
訪日外国人の一人当たり旅行支出は、平均で22.7万円です。

しかし、国・地域によって大きな差があります。
一人当たり旅行支出の多い国・地域(2024年):
- イギリス:約38万円
- オーストラリア:約38万円
- スペイン:約37万円
- フランス:約36万円
- 中国:約27万円
一方、韓国(約10万円)、台湾(約18万円)など近隣アジアは消費額が比較的低めです。
重要なポイント:
- 欧米からの訪日客は消費額が高い
- 滞在日数が長いほど消費額が増える
- 高付加価値な体験やサービスにお金を使う傾向
つまり、ターゲットとする国・地域を戦略的に選ぶことが重要なのです。
リピーターが多い日本
訪日外国人のうち、「今回が初めて」という人は全体の34.3%。
つまり、約3分の2がリピーターです。

リピート回数別の割合:
- 初めて:34.3%
- 2〜5回目:41.5%
- 6回以上:24.2%
特に台湾・香港・韓国などアジアからのリピーターが多く、中には10回以上訪日している人も少なくありません。
一方、アメリカからは「初めて」が6割を超えており、まだまだ開拓の余地があります。
リピーターの特徴:
- 東京・大阪などのゴールデンルートではなく、地方を訪れる
- ディープな日本文化体験を求める
- 口コミやSNSでの情報発信力が高い
つまり、地方の中小企業にとってもチャンスが大きいのです。
滞在日数は長期化傾向
訪日外国人の滞在日数は、4日以上が95%超です。

滞在日数の内訳:
- 3日以内:8.9%
- 4〜6日:44.0%
- 7〜13日:32.8%
- 14〜20日:9.1%
特に欧米からの訪日客は、1〜2週間の長期滞在が多く、その間にさまざまな地域を訪れます。
長期滞在者ほど消費額が増えるため、いかに滞在中に自社の店舗・サービスを見つけてもらうかが重要です。
訪日外国人は何を求めているのか?
日本に期待していることトップ3
訪日外国人が日本に期待していることは、以下の通りです。

訪日外国人が期待する体験:
- 日本食を食べること:65%以上
- 温泉に入ること:約48%
- 自然・景勝地観光:約46%
- ショッピング:約46%
- 日本の歴史・伝統文化体験:約24%
特に「日本食」への期待は圧倒的で、ほぼすべての訪日外国人が楽しみにしています。
国・地域による違いもあります:
- 欧米人:温泉、自然、伝統文化体験への関心が高い
- アジア:ショッピング、最新トレンド、都市観光への関心が高い
- タイ・インドネシア:雪、スキーなど雪国体験への関心が高い
このように、ターゲットとする国・地域によって、アピールすべきポイントが異なるのです。
訪日外国人の困りごとトップ5
一方、訪日中に困ったことを聞くと、以下のような回答が上位に来ます。
訪日外国人が困ったこと:
- ゴミ箱が少ない:約21%
- スタッフとのコミュニケーションが取れない:約15%
- 多言語表示の少なさ・わかりにくさ:約10%
これらの困りごとを解消することが、インバウンド対応の第一歩です。
特に、「コミュニケーション」と「多言語表示」は、中小企業でも比較的対応しやすい部分です。
完璧な英語が話せなくても、基本的な多言語表記やピクトグラム(絵文字)の活用で、大きく改善できます。
インバウンド集客の3つのステージ
インバウンド集客を考える上で重要なのが、「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」という3つのステージです。
以下は台湾の方の「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」の例です。

旅マエ(訪日前):見つけてもらう
訪日外国人は、日本に来る前に情報収集を行います。この段階で自社の存在を知ってもらうことが重要です。
旅マエで使われる情報源:
- SNS(Instagram、YouTube、TikTokなど)
- Googleマップ
- 口コミサイト(TripAdvisor、Google口コミなど)
- 旅行ガイドブック
- 旅行会社のウェブサイト
特に重要なのが、SNSとGoogleマップです。
若い世代を中心に、SNSで「日本 おすすめ」「東京 グルメ」「京都 体験」などを検索し、魅力的な投稿を見つけて訪問先を決めます。
また、Googleマップで「Near me(近くの〇〇)」検索をして、現在地周辺の店舗を探します。
旅マエ対策のポイント:
- Googleビジネスプロフィールに多言語で情報を登録
- Instagram・YouTubeで店舗・商品・サービスの魅力を多言語で発信
- 魅力的な写真・動画を投稿(特に料理、商品、体験の様子)
- 口コミを増やす・良い口コミに返信する
旅ナカ(訪日中):来てもらう・楽しんでもらう
実際に日本を訪れている最中に、自社の店舗・サービスに来てもらい、満足してもらうことが重要です。
旅ナカで使われる情報源:
- Googleマップ(現在地から近い店舗検索)
- SNS(リアルタイムの投稿・ストーリーズ)
- 街中の看板・ポスター
- 他の訪日外国人の口コミ
特に、Googleマップでの「Near me」検索は非常に多く使われます。
「近くのラーメン屋」「Near ramen」などと検索し、評価の高い店舗、写真が魅力的な店舗を選びます。
旅ナカ対策のポイント:
- Googleマップに正確な位置情報・営業時間・写真を登録
- 多言語メニューの用意(英語・中国語・韓国語など)
- ピクトグラム(絵文字)での案内
- キャッシュレス決済の導入
- 無料Wi-Fiの提供
- 写真撮影スポットの設置(SNS投稿を促す)
旅アト(訪日後):また来てもらう・紹介してもらう
訪日後、満足した外国人は自国に帰ってからSNSで体験をシェアします。
これが次の訪日客を呼び込みます。
旅アト対策のポイント:
- SNS投稿を促す仕掛け(フォトスポット、ハッシュタグ提案)
- 口コミ投稿のお願い(QRコードで簡単に投稿できるようにする)
- SNSでフォロー・タグ付けしてもらう
- リピーター向けの特典を用意(次回割引など)
特に、SNSでの投稿は非常に重要です。
1人の外国人の投稿が、数千人、数万人の目に触れ、次の訪日客を呼び込みます。
今日からできるインバウンド集客5ステップ
それでは、具体的に何をすればいいのか、実践的なステップを解説します。
STEP1:ターゲットとする国・地域を決める
まず、どの国・地域の訪日客をターゲットにするかを決めます。
「すべての外国人」を対象にするのではなく、自社の商品・サービスに合った国・地域を選ぶことが重要です。
ターゲット選定のポイント:
①近隣のアジア(韓国・台湾・香港・中国)をターゲットにする場合
- メリット:訪日客数が多い、リピーターが多い、近いので気軽に来る
- 注意点:一人当たり消費額は低め、価格競争に巻き込まれやすい
- 適した商品・サービス:手頃な価格の商品、ショッピング、最新トレンド
②欧米(アメリカ・オーストラリア・イギリスなど)をターゲットにする場合
- メリット:一人当たり消費額が高い、体験型サービスにお金を使う、滞在日数が長い
- 注意点:訪日客数はアジアより少ない、英語対応が必須
- 適した商品・サービス:伝統文化体験、自然体験、高付加価値商品
③東南アジア(タイ・インドネシア・ベトナムなど)をターゲットにする場合
- メリット:訪日客数が増加中、雪・温泉などへの関心が高い、親日的
- 注意点:イスラム圏への配慮(ハラル対応など)
- 適した商品・サービス:雪国体験、温泉、自然、食体験
ターゲット選定の具体例:
- 飲食店:アジア(台湾・香港)をターゲット → 中国語メニュー、SNS映えする盛り付け
- 伝統工芸品店:欧米をターゲット → 英語での説明、体験型サービス、ストーリー性
- 温泉旅館:タイ・インドネシアをターゲット → 雪国体験とセット、英語対応
ターゲットが決まれば、次のステップに進みます。
STEP2:Googleマップを多言語化する
インバウンド集客で最も重要なのが、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)です。
訪日外国人の多くは、Googleマップで「近くの〇〇」を検索します。ここに自社の情報が多言語で登録されていなければ、見つけてもらえません。

Googleビジネスプロフィールで設定すべき項目:
①基本情報
- 店舗名:正式名称(英語表記も)
- 住所:正確な住所
- 電話番号:国際電話番号形式(+81-xx-xxxx-xxxx)
- 営業時間:正確な営業時間(祝日の休業も)
- ウェブサイト:自社サイトのURL
②カテゴリ
- 適切なカテゴリを選択(例:「日本料理店」「土産物店」「旅館」)
- 複数選択可能
③説明文(多言語)
- 店舗の特徴を簡潔に記載
- 最低でも英語、できれば中国語・韓国語も
- Google翻訳やDeepLを活用してもOK
例:
【日本語】
創業100年の老舗和菓子店。職人が一つひとつ手作りする季節の和菓子が人気。お抹茶と一緒にお楽しみいただけます。
【英語】
A long-established Japanese sweets shop founded 100 years ago. Seasonal Japanese sweets handmade by artisans are popular. You can enjoy them with matcha tea.
【中国語(簡体字)】
创业100年的老字号日式点心店。手工制作的季节性日式点心深受欢迎。可与抹茶一起享用。
④写真・動画
- 魅力的な写真を最低10枚は投稿
- 料理・商品の写真(メニューごと)
- 店内・外観の写真
- スタッフの写真
- 体験の様子
- 定期的に更新(季節ごと、新商品ごと)
⑤投稿機能
- 定期的に投稿(週1回程度)
- イベント情報、新商品情報、営業時間変更など
- 多言語で投稿
⑥口コミへの返信
- 良い口コミには必ず返信(できれば相手の言語で)
- 悪い口コミにも丁寧に返信
- 返信することで、他の訪日客からの信頼度が上がる
重要なポイント: Googleビジネスプロフィールは無料です。登録しない理由はありません。今すぐ登録・更新しましょう。
STEP3:SNSで多言語発信をする
SNS(Instagram、YouTube、TikTokなど)は、訪日外国人が情報収集で最もよく使うツールです。
効果的なSNS発信のポイント:
①Instagramを活用する
Instagramは、訪日外国人が「日本で何をするか」を探すのに最もよく使うSNSです。
投稿内容:
- 商品・料理の写真(綺麗に撮影)
- 店内の雰囲気
- 体験の様子
- 季節の風景
ハッシュタグ:
- 英語ハッシュタグを必ずつける
- 例:#JapaneseFood #TokyoTravel #KyotoExperience #JapanTrip
- 地名ハッシュタグも有効:#Tokyo #Kyoto #Osaka
キャプション:
- 日本語+英語で記載
- 絵文字を活用して視覚的に
ストーリーズ:
- 日常の様子、裏側、スタッフ紹介など
- フォロワーとのコミュニケーションツールとして活用
②YouTubeで動画を投稿する
YouTubeは、訪日前の情報収集で非常によく見られます。
動画内容:
- 店舗紹介
- 商品・サービスの紹介
- 体験の流れ
- スタッフからのメッセージ
字幕:
- 必ず英語字幕をつける(YouTubeの自動翻訳機能を活用)
- できれば中国語・韓国語も
タイトル:
- 英語タイトルも併記
- 例:「伝統的な和菓子作り体験 | Traditional Japanese Sweets Making Experience」
③TikTokで短い動画を投稿する
TikTokは、若い世代の訪日外国人に人気です。
動画のポイント:
- 15〜60秒の短い動画
- テンポよく、視覚的に魅力的に
- 英語テキストを画面に表示
人気のコンテンツ:
- 料理を作る様子
- 商品の特徴をクイックに紹介
- ビフォーアフター
- 体験の楽しそうな様子
STEP4:店舗内の多言語対応とキャッシュレス化
訪日外国人が実際に店舗を訪れたときに、スムーズに利用できる環境を整えます。
①多言語メニュー・表示
最低限必要なもの:
- 英語メニュー(必須)
- できれば中国語(簡体字・繁体字)、韓国語も
- 写真付きメニュー(言葉が分からなくても理解できる)
メニュー作成のコツ:
- Google翻訳やDeepLを活用
- 料理の写真を必ずつける
- アレルギー情報を記載(英語で)
- ベジタリアン・ハラル対応の有無を明記
店内表示:
- トイレの場所
- 注文方法
- 支払い方法
- Wi-Fiパスワード
- 喫煙・禁煙
これらを多言語(最低でも英語)で表示しましょう。
②ピクトグラム(絵文字)の活用
言葉が分からなくても理解できるピクトグラムは非常に有効です。
活用例:
- トイレのマーク
- 禁煙マーク
- Wi-Fiマーク
- クレジットカード利用可マーク
- 靴を脱ぐ場所のマーク
- 写真撮影OK/NGマーク
ピクトグラムの入手方法:
- 経済産業省「案内用図記号(JIS Z8210)」を無料でダウンロード可能
- Canvaなどのデザインツールで作成
- AI(ChatGPT、Canvaなど)を活用して作成
AIでピクトグラムを作成する方法:
- ChatGPTに「〇〇のピクトグラムを作成して」と依頼
- Canvaの「Text to Image」機能を使う
- 生成されたピクトグラムをダウンロード
- 印刷して店内に掲示
これなら、デザインスキルがなくても簡単にピクトグラムを作成できます。
③キャッシュレス決済の導入
訪日外国人の約20%が「キャッシュレス決済の対応不足」に困っています。
導入すべきキャッシュレス決済:
- クレジットカード(Visa、Mastercard、JCB、American Express)
- QRコード決済(PayPay、Alipay、WeChatPay)
- 交通系ICカード(Suica、PASMOなど)
特に重要なのが、Alipay(アリペイ)とWeChatPay(ウィーチャットペイ)です。中国からの訪日客の多くがこれらを利用します。
キャッシュレス決済のメリット:
- 言葉が通じなくても決済できる
- 会計がスムーズ
- 高額商品も購入しやすくなる
- 衛生的
導入方法:
- 決済代行会社(Square、楽天ペイ、Airペイなど)と契約
- 初期費用・月額費用が無料のサービスも多い
- 決済手数料は3〜4%程度
④無料Wi-Fiの提供
訪日外国人の約25%が「無料公衆無線LAN環境」に困っています。
店舗で無料Wi-Fiを提供することで、以下のメリットがあります:
- 滞在時間が長くなる
- SNSで投稿してもらいやすくなる
- Googleマップで口コミを書いてもらいやすくなる
Wi-Fi提供のポイント:
- パスワードを店内に多言語で表示
- 接続方法を簡単に(QRコードなど)
STEP5:免税対応とセット商品の提案
訪日外国人は、免税で買い物ができることを期待しています。
①免税対応の基本
免税の条件:
- 5,000円以上(税抜)の購入で免税対象
- 消耗品(食品、化粧品など)と一般物品(家電、衣類など)で条件が異なる
免税対応のメリット:
- 単価が上がる(免税なら高額商品も買いやすい)
- まとめ買いしてもらえる
- 「免税対応店」という表示で訪日客が集まる
免税対応の手続き:
- 税務署に「輸出物品販売場許可申請書」を提出
- 許可を受ける
- 免税手続きに必要な書類を整備
- 店頭に「Tax Free」のマークを掲示
②5,000円以上になる「免税パック」の提案
免税の条件は「5,000円以上」です。
逆に言えば、5,000円以上になるようなセット商品を提案すれば、免税を活用してもらえます。
免税パックの例:
和菓子店の場合:
- 単品:800円 → 免税対象外
- 「お土産セット」:5,500円(6個入り) → 免税対象
- 内容:人気商品の詰め合わせ、化粧箱入り
工芸品店の場合:
- 小物:2,000円 → 免税対象外
- 「伝統工芸セット」:6,000円 → 免税対象
- 内容:箸+箸置き+風呂敷のセット
このように、免税ラインを超える価格帯のセット商品を用意することで、客単価が大幅に上がります。
③バリエーションを用意する
セット商品は、複数のバリエーションを用意しましょう。
例:
- スタンダードセット:5,500円
- デラックスセット:8,000円
- プレミアムセット:12,000円
選択肢があることで、顧客は自分の予算に合わせて選べます。
文化ギャップを埋める工夫
訪日外国人が戸惑うのが、日本独特の文化やルールです。
これを事前に説明することで、トラブルを防げます。
①靴を脱ぐ場所の明示
日本では当たり前の「靴を脱ぐ」という習慣も、外国人には分かりません。
対応策:
- 靴を脱ぐ場所にピクトグラムを掲示
- 「Please remove your shoes」と英語で表記
- 下駄箱・スリッパの用意
②分割払い・返品ルールの明示
海外では分割払いや返品が当たり前の国も多いです。
日本では対応していない場合、トラブルになることがあります。
対応策:
- 「一括払いのみ」「返品不可」を多言語で明示
- レシートにも記載
③食品サンプル・試食の制限
日本では「サンプルは見るだけ」「試食は1回だけ」という暗黙のルールがありますが、外国人には分かりません。
対応策:
- 「食品サンプルは見本です」と明示
- 試食の回数制限を明示
④原材料・アレルギー表示
訪日外国人は、宗教や健康上の理由で食べられないものがあります。
対応策:
- メニューに主な原材料を記載(英語)
- アレルギー物質を明示
- ベジタリアン・ハラル対応の有無を明示
- QRコードで詳細情報にアクセスできるようにする
QRコード活用の例:
- メニューにQRコードを印刷
- スマホでQRコードを読み取ると、多言語の詳細情報(原材料、アレルギー、写真など)が表示される
- Google翻訳の「カメラ翻訳」機能と組み合わせると便利
インバウンド集客を成功させる5つのマインドセット
最後に、インバウンド対応で成功するための心構えをお伝えします。
マインドセット1:完璧を目指さない
「英語がペラペラじゃないから無理」 「立派な設備がないから恥ずかしい」
そう思っていませんか?
訪日外国人が求めているのは、完璧な英語や豪華な設備ではなく、日本らしい体験と温かいおもてなしです。
カタコトの英語でも、ジェスチャーでも、笑顔でも、コミュニケーションは取れます。Google翻訳やDeepLなどの翻訳ツールを活用すれば、言葉の壁はかなり下がります。
重要なのは、「やってみる」ことです。
マインドセット2:小さく始める
いきなり大規模なインバウンド対応をする必要はありません。
まずは小さく始めましょう:
- Googleビジネスプロフィールに英語の説明を追加する
- メニューに写真をつける
- 店頭に「Tax Free」のステッカーを貼る
- Instagramで英語ハッシュタグをつける
これだけでも、訪日外国人からの認知度は大きく変わります。
マインドセット3:失敗を恐れない
インバウンド対応を始めると、必ず失敗やトラブルがあります。
- 英語がうまく通じなかった
- 文化の違いで誤解が生じた
- クレームがあった
しかし、失敗から学び、改善していくことが重要です。
多くの訪日外国人は、日本人が一生懸命対応しようとする姿勢を高く評価してくれます。完璧でなくても、誠意を持って対応すれば、必ず伝わります。
マインドセット4:継続する
インバウンド対応は、一度やって終わりではありません。
- 定期的にGoogleマップに写真を投稿する
- SNSで情報発信を続ける
- 口コミに返信する
- 季節ごとにメニューや商品を更新する
継続することで、徐々に認知度が上がり、訪日客が増えていきます。
最初は月に数人だった外国人客が、半年後には週に数人、1年後には毎日のように来るようになった、という事例も珍しくありません。
マインドセット5:訪日外国人から学ぶ
訪日外国人との接客を通じて、多くの気づきがあります。
- 自社の商品・サービスの新たな魅力
- 日本文化の素晴らしさ
- 改善すべき点
外国人の視点は、私たち日本人が気づかない価値を教えてくれます。
訪日外国人は、自社の成長のための「先生」でもあるのです。
まとめ:今日から始めるインバウンド対応
訪日インバウンド市場は、年間3,687万人、消費額8.1兆円という巨大市場です。
そして、この市場は今後も拡大し続けます。
「今からでは遅い」ということは決してありません。むしろ、今が始めるチャンスです。
今日からできる3つのアクション
- Googleビジネスプロフィールを登録・更新する
最低でも英語の説明文と魅力的な写真を登録しましょう。 - Instagramで英語ハッシュタグをつける
既存の投稿にも英語ハッシュタグを追加しましょう。 - 多言語メニュー・表示を1つ作る
まずは英語メニュー、または店内の1つの表示を多言語化しましょう。
この3つをやるだけでも、訪日外国人からの認知度は大きく変わります。
インバウンド対応は「投資」ではなく「資産」
インバウンド対応には、時間と労力がかかります。しかし、それは一時的な「投資」ではなく、長期的な「資産」です。
一度整備したGoogleマップの情報、SNSの投稿、多言語メニューは、今後何年にもわたって訪日外国人を集め続けます。
口コミやSNSでの評判は、雪だるま式に拡大していきます。
今、始めることが、5年後、10年後の大きな差になります。
物価高騰時代の新たな収益源として
物価高騰、人手不足、国内市場の縮小――中小企業を取り巻く環境は厳しさを増しています。
そんな中、インバウンド需要は確実に成長している数少ない市場です。
国内の顧客だけに頼るのではなく、世界中から訪れる訪日外国人も視野に入れることで、事業の安定性が高まります。
インバウンド対応は、物価高騰時代の新たな収益源なのです。
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