YOUは何しに熊本へ!? ①訪日外国人のことを知る

先日、熊本の商業施設の店長様(約200名様)に向けて、

「YOUは何しに熊本へ!インバウンドのお客様を知って売上につなげよう!」

というタイトルで講演をさせていただきました。

どこかで聞いたことのあるタイトルですが、オリジナルタイトルです!オマージュです。

実は、当初は「訪日外国人観光客のことを知ってビジネスに活かすには」などのタイトルで講演を考えていたのですが、商業施設の方からこのタイトルをご提案いただき、「いいですね!」と即採用!

講演のポイント

今回の講演に際して、参加者の皆様にお伝えしたいこととして、以下を設定いたしました。

  • 熊本に来ている外国人のことを知る
  • 具体的なインバウンド売上拡大策を学ぶ
  • 店舗で明日から取り組むことを考える

お話ししている中で、印象的だった内容についてお伝えします。

正答率1%?!熊本に来ている外国人ランキング

講演の中では、何度か皆様に参加いただくコーナーを設定していたのですが、その中の一つが次の問題です。

私としては「当たり前」と思っていることが、実はあまり知られていないことに、改めて気づかせてもらいました。

あなたは小学○年生よりも賢いの?熊本を訪れる外国人の数について

これもある番組をオマージュして作りました。。。

以下の国・エリアについて熊本を訪れる外国人の数が多い国・エリアから順番に並べなさい。

単に国名を並べると簡単かな・・・と思い、少しひねって国旗を並べ替える問題にしました。

再現度を上げるためにそれっぽい表記にしてみました。

口頭では説明をしていますが、答えの根拠になっているのは「2024年の訪日外国人観光客の延べ宿泊数」です。

したがって、外国人数と同じではありません。

まあ、熊本に長期滞在される方は少ない、という調査データもありますので、そこは大体あっている、ということで。

規模感・市場感を把握してもらうことが目的です。

皆さんは何番だと思いますか?

正解は・・・こちらです!

なんと正答率は1%。

会場の200名様にお答えいただいたのですが、3名程度しか正解者はいらっしゃらなかったです。

答えとして一番多かったのが「③」でした。次が「②」。

やはり中国の方が多くいらっしゃっている、というイメージがあるようです。

もしかしたら、接客の中で「中華圏の方=中国人」と思われているのかもしれないですね。

台湾の方が多い、という情報が多くなっている中で、実際に接客されている方々とはギャップが生じているわけです。

もしかしたら、販売現場でそのギャップにお客様が「がっかり」することもあるかもしれません。

まずは現状を知る、この大事さを改めて認識することができました。

延べ宿泊数は上位4カ国で熊本県全体の8割を占める!

熊本県に宿泊されている国・エリアの方を上位から並べてみました。

台湾41万人泊

韓国34.6万人泊

香港14.3万人泊

中国13.4万人泊

4ヶ国計103万人泊

なんと、この4ヶ国・エリアだけで、熊本県全体の宿泊数の約8割を占めます!

インバウンドの対策を行う場合には、基本的にはこの4ヶ国がメインターゲットとなるのは当然です。

2024年、年初めには中国人の方々の訪日が進んでいなかったので、4位になっていますが、2025年は大きく伸びつつあります。

したがって、この順位は変動するかもしれませんが、全体の宿泊数自体は大きく伸びると想定しています。

YOUはなぜ熊本に?訪日外国人の「解像度」を上げてみる

次に、数だけではなく、何を求めて日本に来ているか、その中で困ったことは何か、を確認します。

リピーターが期待していることは日本食・温泉・自然・買い物

初めて訪れる旅行先では、メジャーな観光地に行くものです。

日本で考えると、東京・京都・大阪、ゴールデンルートが最もポピュラーで人気があります。

では、熊本のような地方都市を訪れる方は基本的にリピーターであると捉えた上で、「何回も日本を訪れているリピーターが次にやりたいこと」を見てみました。

すると、日本食・温泉・自然・ショッピングが上位になりました。

ということは、地方にある飲食店・小売店でもインバウンドの需要を獲得できる可能性があるということです。

この辺りは、ターゲットとなる国別に詳細化した方が良いので、次回以降の記事で詳細を書かせていただきます。

訪日外国人が滞在中に最も困ったことは○○○?!

お客様から選ばれるためには、不満の解消も重要です。

不満があった時、何か意見を言っていただける方は少数で、多くの方は何も言わずに二度と来ない。

そして、友人知人にマイナスイメージを伝えてしまう、ということがあります。

したがって、「訪日外国人が滞在中に最も困ったこと」を理解することは、不満を解消する上でも大切です。

皆さんはどの「困ったこと」が一番多かったと思いますか?

正解は・・・こちらです!

いや、困ったことないんかい!と突っ込みたくなる結果です。

でも、私はこの背景には非常に重要な示唆がいくつかあると考えます。

以前の日本は「公共的なWIFIが整備されていない」「多言語表記がない」「コミュニケーションができない」など、訪日外国人からの不満が多々ありました。

WIFIや多言語表記など、受入環境整備が都心部で進んでいることで、「困ったことはなかった」と回答しているのが一つ目の理由。

二つ目の理由としては、環境整備されたことで、「スマートフォンを使って自分で解決できるようになった」ということがあると考えます。

ということは、スマートフォンでの情報収集・検索対応が非常に重要、と言えるのではないでしょうか。

都市部で「困ったことがなかった」外国人が地方に来ると・・・

訪日外国人観光客数は、2025年には4000万人を超えることが確実視されています。

東京や京都などでは、公共交通機関の混雑や宿泊費の高騰など、オーバーツーリズムと言われる現象が発生しています。

その状況を改善するため、政府としては「地方への分散化」を進めています。

2030年に6000万人以上を受け入れるのが政府の目標である以上、さらなる「訪日外国人の増加→地方へ訪れる外国人増加」が続くことは疑いようがありません。

でも、地方都市の受け入れ体制は、決して都心部のように整備されていないのです

訪日外国人が不満を持ち、二度と訪れなくなる前に、受入体制の整備に取り組む必要があります。

Googleマップの多言語表記、店舗での多言語案内など、すぐに改善できる部分はたくさんあると思います。

今すぐには集客につながらないかもしれませんが、今から取り組むことで、数年後の結果は全然異なるはずです。

まずは、ターゲットとなる訪日外国人の解像度を上げて、刺さる集客・受入体制整備を考えましょう!

次回以降は、訪日外国人の解像度をあげよう!&明日からできる!具体的かつ簡単な集客・受入体制整備について記載いたします。

ここまで記事を見ていただき、ありがとうございました!